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保険制度と費用・料金

訪問看護の料金を徹底解説|保険別の費用相場と比較・節約術

中村 朋子 / 更新:2026-06-24
訪問看護の料金を徹底解説|保険別の費用相場と比較・節約術
訪問看護を頼みたいけれど、結局いくらかかるのか分からない。加算や自費でどんどん高くなるんじゃないか。私が管理者をしていた頃、相談の電話で一番多かったのがこのお金の不安でした。

先に結論を言います。訪問看護の自己負担は、介護保険・医療保険なら原則1割〜3割。30分〜1時間の医療保険利用なら1割で823円ほどです。自費だと1時間8,000円前後と一気に上がります。

この記事では、保険別の料金相場、加算や自費分も含めた月額の目安、要介護度や症状ごとのケース別シミュレーション、事業者の比べ方までまとめました。自分の条件に当てはめて読んでください。

訪問看護の料金の仕組みと費用相場

#35 訪問看護「基本のキ」訪問料金を知ることがなぜ大切なの?
#35 訪問看護「基本のキ」訪問料金を知ることがなぜ大切なの?

訪問看護の料金は、ほとんどが国の決めた公定価格です。事業者が好き勝手に値段をつけているわけではありません。だから「A社が極端に安い」ということは保険利用の範囲では基本的に起きません。

訪問看護とは?サービス内容と料金体系の基本

看護師や理学療法士などが自宅に訪問し、健康状態の確認、点滴や処置、リハビリ、看取りの支援などを行います。1回の訪問時間は基本的に30分以上90分未満です。90分を超えると長時間訪問看護加算が付き、保険で対応できます。

料金は医療保険なら1点10円として、単位数×単価で計算します。介護保険は要介護度や訪問時間で単位が決まる仕組みです。

介護保険・医療保険・自費で変わる料金の違い

同じ訪問看護でも、どの保険を使うかで料金の出方が変わります。介護保険と医療保険は公定価格の1〜3割負担。自費(完全有料)は全額が利用者負担です。

保険種別ごとの料金イメージ
区分料金の決まり方自己負担
介護保険要介護度・訪問時間で単位が決定公定価格の1〜3割
医療保険訪問日数・職種で点数が決定公定価格の1〜3割
自費(完全有料)事業者が独自に設定全額(1時間8,000円前後)

正直に言うと、保険が使える人はまず保険を検討すべきです。自費は保険対象外のサービスを足したいときや、回数の上限を超えて使いたいときの選択肢になります。

1回あたりの料金目安と月間総額のイメージ

医療保険で30分以上1時間未満の場合、公定価格(10割)は8,230円(2026年1月1日適用)。1割なら823円、2割で1,646円、3割で2,469円ほどです。

週2回・月8回ならこの金額の積み上げになります。1割の人で月7,000円弱が一つの目安。これに交通費や加算が乗ります。

介護保険を利用する場合の料金

65歳以上の方や、特定疾病で要介護・要支援認定を受けた40〜64歳の方は、原則として介護保険が優先されます。料金は要介護度と訪問時間で決まります。

介護保険を利用する場合の料金

要介護1〜5の基本料金

要介護1〜5の方は介護保険の訪問看護を使います。1回ごとに単位が設定され、単価をかけて算出します。実際の負担額は地域区分(単価が10円〜11.4円で変動)と訪問時間で変わるため、契約前に必ず見積もりをもらってください。

要支援1・2の基本料金

要支援1・2の方は介護予防訪問看護になります。要介護より単位がやや低めに設定されているのが一般的です。ここは事業者の料金表で具体額を確認するのが確実です。

主な加算と料金

基本料金のほかに、状態や対応に応じて加算が付きます。これを知らずに請求書を見て驚く方が多い。事前に「うちの場合どの加算が付きますか」と聞いておくと安心です。

主な加算の例(医療保険・公定価格と1〜3割負担)
加算公定価格1割2割3割
緊急時訪問看護加算(月1回)6,000円600円1,200円1,800円
ターミナルケア加算25,000円2,500円5,000円7,500円

緊急時訪問看護加算は、夜間や休日に電話相談・緊急訪問できる体制への加算です。月1回の請求で済むので、不安が強い方ほど価値があります。

区分支給限度基準額と上限超過時の自己負担

介護保険には要介護度ごとに使える上限(区分支給限度基準額)があります。訪問看護だけでなくデイサービスなど他の介護サービスと合算する点に注意。上限を超えた分は全額自己負担になります。

私の経験上、サービスを増やしたい時期にこの上限が壁になりやすいです。ケアマネジャーに月の合計単位を出してもらい、超えそうなら組み合わせを調整します。

医療保険を利用する場合の料金

末期がんや厚労省が定める特掲疾患の方、要介護認定のない方などは医療保険が使われます。料金は訪問する職種と週あたりの日数で決まります。

医療保険を利用する場合の料金

看護師・理学療法士などが訪問した場合の基本料金

週3日目までと週4日目以降で料金が変わります。2024年10月時点では週3日目まで2,780円、週4日目以降3,280円(いずれも公定価格)でした。

2026年1月1日の改定で、週3日目までは2,940円へ。週4日目以降は2,940円×2回=5,880円に変わります。改定のタイミングで金額が動くので、最新の料金表で確認してください。

医療保険 基本料金(2024年10月時点・週3日目まで)
公定価格1割2割3割
2,780円278円556円834円

月1回請求される加算

緊急時訪問看護加算のように、その月に1回だけ請求される加算があります。前述の通り公定価格6,000円、1割なら600円です。月初めにまとめて乗るイメージで覚えておくと、請求書が読みやすくなります。

その都度請求される加算

長時間訪問看護加算のように、対応した回ごとに付く加算もあります。90分を超える訪問や、特別な管理が必要なケースで発生します。「今日は長くかかったから加算が付く」という性質のものです。

医療保険と介護保険どちらが適用されるかの判定

原則は要介護・要支援認定があれば介護保険が優先。ただし末期の悪性腫瘍や、厚労省の定める特掲疾患(別表7)に当てはまる場合、認定があっても医療保険が使われます。

どちらの保険が使われるかの目安
状況適用される保険
要介護・要支援認定あり(通常)介護保険
末期がん・特掲疾患(別表7)に該当医療保険
要介護認定なし・40歳未満など医療保険
急性増悪で特別訪問看護指示書が出た期間医療保険

保険適用外(自費)でかかる費用

訪問看護の”訪問看護の利用料金”について宮本さんに教えてもらいました♪vol.9
訪問看護の”訪問看護の利用料金”について宮本さんに教えてもらいました♪vol.9

保険の範囲外でも、実費として支払う費用があります。ここを見落とすと「思ったより高い」になります。代表は交通費と衛生材料です。

交通費について

交通費は保険給付の対象外で、事業者と利用者の契約に基づく実費徴収が認められています。相場は1回数百円〜1,000円程度。ただし距離が遠い、有料道路を使うといった事情で高くなることがあります。

衛生材料などの実費

ガーゼやおむつなど、ケアに使う衛生材料を実費で求められる場合があります。何が保険でまかなわれ、何が実費なのかは事業者で線引きが違います。契約書の費用欄を必ず読んでください。

初期費用・契約時費用とキャンセル料の有無

初期費用やキャンセル料は法律で一律に決まっておらず、事業者ごとの契約次第です。だからこそ「初期費用はあるか」「当日キャンセルは料金が発生するか」を契約前に必ず確認してください。ここは口頭ではなく書面で残すのが鉄則です。

自己負担を軽くする制度と料金を抑えるコツ

訪問看護は、使える制度を知っているかどうかで負担が大きく変わります。1割で済むのか3割になるのかは所得で決まり、自分では選べません。だからこそ軽減制度を取りこぼさないことが効きます。

自己負担を軽くする制度と料金を抑えるコツ

自己負担割合(1割・2割・3割)の判定基準

医療保険・介護保険ともに自己負担は原則1割〜3割で、所得に応じて決まります。多くの方は1割。現役並み所得など一定以上の所得があると2割・3割になります。自分の割合は介護保険負担割合証や保険証で確認できます。

高額療養費・高額介護サービス費による負担軽減

月の自己負担が一定額を超えると、高額療養費(医療保険)や高額介護サービス費(介護保険)で超過分が後から戻ります。上限額は所得区分で変わります。

還付は申請が必要なケースが多いです。請求書とレシートは捨てずに保管を。自治体の窓口で「うちは申請が必要ですか」と一言聞くだけで、もらい忘れを防げます。

公費負担医療制度との併用

自立支援医療、特定疾患(指定難病)、生活保護といった公費負担医療と訪問看護は併用できます。該当すれば自己負担がさらに下がる、もしくはゼロに近づきます。難病やうつなどの精神疾患をお持ちの方は、まず対象かどうかの確認を。

料金を抑える具体的な活用法

私が現場で勧めていたのは3つ。負担割合証を毎年確認する、高額療養費・高額介護サービス費の還付を申請する、上限超過を避けるためケアマネと月の単位を調整する。地味ですが、これが一番効きます。

逆に、安さだけで遠方の事業者を選ぶのは勧めません。交通費がかさみ、緊急時の到着も遅れます。トータルで見て近くの事業者が有利なことが多いです。

ケース別・訪問看護の料金シミュレーション

実際にいくらになるのか、モデルケースで見ます。あくまで目安です。地域区分や加算で前後するので、最終的な金額は見積もりで確認してください。

ケース別・訪問看護の料金シミュレーション

利用回数・頻度別の月額モデルケース

医療保険で30分以上1時間未満(2026年改定後の公定価格8,230円・1割823円)を使う前提の概算です。

医療保険1割負担・月額の概算(基本料金のみ・加算/交通費別)
頻度月の回数概算(1割)
週1回約4回約3,300円
週2回約8回約6,600円
週3回約12回約9,900円

これに緊急時訪問看護加算(1割600円)や交通費が乗ると、週2回で月7,000〜8,000円台が現実的なラインです。

要介護度別・症状別のリアルな料金事例

介護保険の方は要介護度の上限内で他のサービスと組み合わせるため、訪問看護単体の額より「合計が上限を超えないか」が論点になります。重度で訪問頻度が高い方ほど、上限管理がシビアです。

医療保険の難病・末期の方は週4日以上の頻回訪問になりがちで、その分加算も増えます。ただし公費併用で実負担が抑えられるケースが多いのが救いです。

ターミナルケア・看取り時にかかる費用

看取りの局面では、訪問が頻回になり緊急対応も増えます。費用面で大きいのがターミナルケア加算。公定価格25,000円で、1割なら2,500円、3割なら7,500円ほどです。

正直、最期の時期は金額より「すぐ来てくれる体制」が何より価値を持ちます。緊急時訪問看護加算とあわせて、24時間対応の事業者を選ぶことをお勧めします。

事業者を比較して選ぶポイント

【2025年最新版】医療保険 絶対取るべき訪問看護の加算制度を全解説!
【2025年最新版】医療保険 絶対取るべき訪問看護の加算制度を全解説!

保険利用なら基本料金はどこも公定価格でほぼ同じです。差が出るのは、自費部分・交通費・対応体制・請求の分かりやすさ。ここを同じ物差しで比べてください。

他事業者との料金比較・見積もりの取り方

事業者を比べるときの確認項目
観点確認すること
交通費1回いくらか・距離で変わるか
緊急対応24時間対応か・加算はいくらか
自費料金保険外サービスの単価
初期費用契約時に費用が発生するか
キャンセル料当日キャンセルの規定
請求支払い方法・請求の明細の出し方

見積もりは口頭ではなく、書面でこの項目を埋めてもらうこと。2〜3社で同じ条件を提示し、横並びで比べると違いがはっきりします。

支払い方法と請求のタイミング

支払い方法は口座振替・クレジットカード・現金など、事業者によって異なります。請求は多くが翌月に前月分をまとめて、という形。ここは契約時に必ず確認してください(対応可否は事業者ごとに要確認)。

こんな人にはこの保険・制度がおすすめ

タイプ別のおすすめ
こんな人おすすめ
要介護認定があり安定している介護保険でケアマネと上限管理
末期がん・難病・頻回訪問が必要医療保険+公費併用を確認
保険の回数を超えて使いたい自費(完全有料)を併用
費用が高くなりがちで不安高額療養費・高額介護サービス費を申請

訪問看護の料金に関するよくある質問

相談でよく受けた質問を、結論からお答えします。

訪問看護の料金に関するよくある質問

よくある質問

訪問看護の料金とは?
看護師などが自宅を訪問して行うケアの利用料です。多くは国の公定価格で、介護保険・医療保険なら原則その1〜3割が自己負担。保険外の自費(完全有料)は全額負担で、1時間8,000円前後が目安です。
費用はどのくらいかかる?
医療保険で30分以上1時間未満なら公定価格8,230円(2026年1月適用)、1割負担で823円ほどです。週2回・月8回なら基本料金だけで1割の方は月7,000円弱が目安。これに加算や交通費が乗ります。
利用の始め方は?
主治医に相談し、訪問看護指示書を出してもらうのが起点です。介護保険の方はケアマネジャーに、それ以外は事業者へ直接相談を。契約前に見積もり・交通費・キャンセル料を書面で確認してから申し込んでください。

最後にひとつ。料金は怖がるより、自分の保険と割合、使える軽減制度を先に把握するのが近道です。今日できる一歩は、保険証と負担割合証を出して自分の負担割合を確認すること。そこから見積もりを取りましょう。

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中村 朋子

訪問看護ステーション管理者・開設経験者 ・ 看護師免許取得後15年、うち訪問看護歴10年

訪問看護ステーションの管理者として開業から運営までを経験し、実際の手続きや数字をもとに書くことを心がけています。きれいごとではなく、現場で直面したリアルな課題を一次情報として届けます。

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